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樹勢回復1         
府中市けやき並木の樹勢回復
所在地:東京都府中市
発注者:府中市
実施年:1994年

府中市けやき並木は、大国魂神社馬場大門のけやき並木として歴史も古く、大正13年に天然記念物の指定をうけ、古くから市民に親しまれてきた並木道です。平成6年11月には、読売新聞社創刊120周年を記念して全国の優れた街路樹を選定した「新・日本街路樹百景」に選ばれ、いっそう貴重な並木として評価されています。
しかし、けやき並木を取り巻く環境が悪化し、最近は老齢化も手伝って樹勢が衰え、枝枯れや幹の老朽化が進み、樹勢回復が急務とされています。
けやき生育の母体である土壌改良を行い
樹勢回復をはかりました。
                                       
けやき並木の現状

根部の状況
    
けやき並木の永い歴史の中で道路の位置が変わり、いろいろな舗装が繰り返され、その都度掘り起こし、盛土がされているため、けやきは全般的に深植え状態となり、ほとんどの太根は舗装の下にあり、窒息状態で枯死しているものも相当ある。
養分を吸収する大切な細根は幹付近や上根から発生した2番根として地表面20〜30cmの位置に集中している。
根にはバクテリアによるとみられるコブ病が発生し生育を阻害している。

    

根部の状況
   
植込地の土壌PHは弱酸性で、EC値(塩類濃度)は深くなるにつれて高くなっている。
昔、道路のほこり止めに塩化カルシウムを散布したこともあり、局部的にアルカリ性の高い部分もあり。土壌の構造が単粒構造になっているため、物理性が悪く、地表面は湿っていても地下部は極端に乾燥し砂漠状態となっている。
根にコブ病(白紋羽病の原因となる病原菌)などの根に悪い病原菌類が多く生息し、根の生育を阻害している。
   
    

根部の状況  (実験実施  3月上旬)
  
老木の幹から約2.5m離れた位置に深さ80〜100cm幅50cmの穴を堀り、細根を鋭利な刃物で切断する。太根は環状剥皮(根廻しの手法)をする。
堀りあげた土に有機質資材(埋戻土量の10%)を混入し、均等に埋戻し、注水する。



          施肥穴の掘削



       有機質資材を混入して埋戻し中
  
根部の状況
    
3月に土壌改良を施し、約9ヶ月経過した根の状態の調査を行った。
根の切り口から沢山の毛根が発生し旺盛な生育を見せている。根長は長いもので1.0m以上に達し、細かく枝分かれしているものが多かった。
実験を行った年の夏は例年より乾燥が激しく、一般の造園樹木に影響を与えた年だったが、有機質土壌改良剤「ワカホ」によって土壌改良を施した部分の土は湿気のある色をしており、通気、保水性を回復していることがうかがえる。
  

根部の状況
   
実験は、根の活動し始めに根を切断し、有機質土壌改良剤を混入埋戻す処理を行い、9ヶ月経過して根の活動が休止する時期に堀り上げて調査しました。
根の生育旺盛な時期にどれだけ発根するか調査した結果、予想以上の成果が得られた。
根を切断することにより「けやき」にダメージを与えることにならないか、当初心配したが、結果は根を切って土壌環境を改良したことにより、発根が良かった。
これは、根を切ることにより「けやき」に刺激を与え発根する活力を生み出し、さらに有機質資材によって根の発根と生長に適した土壌環境を作り出したことによる結果であると思われる。
短期間での実験結果で判断は難しいがこの実験結果を基に「けやき並木」全域について土壌改良が行われ、根部の健全化により樹勢が回復しています。
日本各地に残されている貴重な樹木の環境が悪化し、老齢化も手伝って、樹勢が衰えている事例が沢山あると思います。
地域の大切な樹木の樹勢回復をこの方法で試してみませんか?
当社では数々の事例を経験し、良好な成果をのこしております。
      

根部の状況
    
           


プレスリリース
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